第4話

「なぁ、咲良(さくら)」




桜の木の下で、スコップを使って穴を掘るのに必死になっている私を呼ぶ声。




「なによ、風馬(ふうま)もちゃんと掘りなさいよね。大変なんだから穴を掘るのって」




さっきから全然穴が広がらないのは、風馬がさぼってばかりだからだ。




「分かってる」




なんて言いながら、ニコニコ笑ってるだけで全然本気じゃないんだから。




私と風馬は小学4年生。




昨日学校で1/2成人式があった。




20歳の半分だから、1/2成人式。




将来の自分宛に書いた手紙を風馬と二人、小学校の校庭の隅に植えられている桜の木の下に埋めようと決めた。

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