第3話

「私が何を飲もうとアンタには関係ないでしょ、」



ぷい、と顔を逸らした。



「態度悪いな、オレはお前の彼氏様の弟だよ?愛想良くできないの?」



いつもそう。



コイツは先輩の弟という立場に乗っかって、私にちくり、ちくり厭味を落とす。



弟ってそんなにエライ立場ですか?



私にとっては、赤の他人に等しいよ?



結婚して親族になるならまだしも、たかだか彼氏の弟にこんな偉そうにされる覚えはない。



そう思っているのに、実際には言われるままの私はなんて情けないヤツなんだろう。



「しろ、悪いな待たせた」



リビングに入ってきた先輩を見上げた。



白河 都(しらかわ みやこ)。



私の名前を先輩は「しろ」と呼ぶ。



他の誰も呼ばない呼び方で。

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