友達の好きな人

第2話

街中を流れる大きな川沿いに、夏に打ち上げられる花火は幼い頃から見慣れた風景。




小さい頃両親に手を引かれて河川敷に並ぶ露店でりんご飴をねだり、頭上に上がる花火の音に身体をすくめ耳を塞いだものだった。




花火は、キレイと言うよりも、大きな音がする怖いものというのが幼い私の感想だった。




それでも、りんご飴欲しさに毎年出掛けていたのを思い出す。




小学生も高学年になれば、友達と行く様になって、いつしか家族や友達とではなく、恋人と並んで歩く姿に憧れを抱くようになった。




中学1年の時、同じクラスの友人の1人が彼氏と夏祭りに来ていた姿を見てとても羨ましく思ったのを覚えている。




まぁでも、好きな人もいなかったからあくまで夢や願望に過ぎなかったのは、淋しい話。




そんな、40年近く続く夏祭りも、雨や台風襲来で中止になることもたまにはあった。




前の年も台風襲来で、例年開催されていた夏祭りは中止された。

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