第44話
「最低って……。キスした相手にそんな言葉を吐かれたら普通かなり凹むぞ?」
「へ、凹んで当然でしょ?彼女がいるのになんで私にあんなコト……」
恥ずかしくて言葉にできない。
「好きだからだろ?」
「は?」
「お前が好きなの!だから、キスした。……分かった?」
今、伊吹なんて言ったの?
私、もしかしてまだ夢の中にいんの?
思わず捻った頬は、凄く痛かった。
痛かったけど、信じられない。
「……え、?…………嘘だ!」
そう叫んでしまい、目の前の息吹の額にくっきり浮かび上がった青筋に息を飲んだ。
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