第13話

瞬時に消える笑顔。


ああも、がらりと表情を変えられると正直凹む。


女嫌い健在だ。


楓のように努力もしていない私が、伊吹の笑顔を期待するのは間違っていると分かる。


だけど、周囲で騒ぐ女子を見る軽蔑の眼差しを私に迄向けるのは解せないし悔しい。



「伊吹くんも、行くの?」



一緒に来たから、もしかしたらそうなのか、そうでなくても何か言葉を交わしたくて言った言葉だった。



「どこに?」



「えっ、と……ク、クリパの500円プレ買いに」



意外にも返事が返ってきて、驚いて声が上擦ってしまう。



「一緒に行ってもいいの?デートだろ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る