第13話

シートが濡れると心配した私に「気にするな」って優也は優しく笑って、後部座席からタオルを取り出して私の頭を拭いてくれた。



「砂を落とさなきゃ、ドロドロのままだな」



困ったような顔をする優也に、自らの姿を確認してあんまりにも酷い状態に呆れて……そして可笑しくなった。



「ふふっ、最低な姿ね」



「笑い事かよ、」



優也も、呆れ顔だ。



塩気を含む海水は、時間が経つにつれてベタついて気持ち悪い。



「シャワー浴びたいね」



優也もそれは同じ思いだったらしく、「そうだな、」と同意を示す。

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