輪郭〜prologue〜

第1話

中学の卒業式って、小学校の時よりずっと寂しい気がする。



小学校の頃は、同じ校区のコの殆どが進む中学は決まってて。



寂しさよりは、中学生になる不安と期待の方が大きかった。



だから中学の入学式も、精々制服が変わる位で代わり映えのない顔を、「卒業式ぶりー!」なんて手を取り合う姿もアッサリしたもんだった。



でも、中学の卒業式は親しかった友人達と進路が違う為に離れてしまうから、寂しさの方が断然強かった。



一生会えないわけではないのに、今生の別れの如く抱き合って涙を流した。



「好音(いと)!皆でミス◯で卒業パーティしよー」



「OK!校門で集合ねー!」なんて返事して、私は次にいつ訪れる事があるか分からない、去りゆく校舎を歩いて回った。

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