第15話

あたし達の始まりは、この物理準備室で、先生が他のコとキスしてるのをあたしが見た事がきっかけ。




『先生、あたしともキスが出来ますか?』




言わば、脅迫。




物理オタクが実は生徒と付き合ってるなんて、知られたくないはず。




そう思って、普段のポーカーフェイスを崩してやるつもりだった。




それなのに…。




『いいよ』




さらりと言ってのけ、驚くあたしの唇を風が通り過ぎるみたいに、奪った。




言葉もでないあたしに、ニッコリ笑って、




『三月は、木曜日においで。』




と言った。

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