第30話

最後まで聞けなかったけど、宇野くんお家のことで何かあったのかな?


あとでもう一度……高田くんだっけ?彼に聞いたら分かるだろうか?


気にはなるものの結局その日高田くんに自分から話しかけることはできなかった。


明日は図書ボランティアの日だから、きっと宇野くんも来るだろう。


その時彼に聞いてみようかな。


高田くんの言いにくそうな表情は気になったけれど、それも明日本人に聞けばいいと私はあえて深く考えなかった。


明日になれば会えるんだし、学校でちゃんと話せるとは限らないから、今日会えなかったのは残念だったけど、そこまで気にすることないよね。


自分に言い聞かせるようにして収めた。


終業式が終わり、次にこの門を潜るのは2年生になる日。


宇野くんと同じクラスになれればいいな。


って言うか、宇野くんって理系?それとも文系?どっちなんだろう。


理系なら1クラスしかないから確実に同じクラスになれる。


だけど、もし文系ならクラスが一緒になることはないんだよね……。


明日になって聞くことが増えてしまった。


でも、彼と話すことができるのは、とても、楽しみだ。


早く、明日になればいい。


そう思いながら、その日は早くにベッドに入った。

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