第5話
「萌〜、もしもーし」
「はっ。ごめん、ぼーっとしてた」
香音に呼ばれて我に返る。
「1時間目英語だけど、課題やった?だいじょぶそ?」
うわっ。忘れてた。
「かのーん。宿題……」
「自分でやれよ」
見せて。と言おうとしたのに、祐樹にズバッと遮られた。
「祐樹はしてきたの?」
「もちろん。お前と違って学年一位の男だからな」
学年一位はすごいけど、宿題とは関係ないでしょ。
まあ、あたしがツッコむ事じゃないけど。
「解き方は教えてあげるから、自力でやるんだよ?」
香音も、解き方教える。じゃなくて答えを教えて欲しい。
「頭いい2人に挟まれてるあたしの気持ちにもなってみてよ」
「だから解き方教えるって香音が言ってるだろうよ」
俺ら優しいから。なんて祐樹は笑うけど、笑い事じゃない。
確かに優しいけどさ、祐樹は毒吐くし、香音は正論を言うし。
だけど、このメンバーが大好きなのは変わらない。
「ほら、早くしないと遅れるよ!」
チャイムが鳴って、教室へ急いだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます