気楽な付き合い
第1話
*
「見ろよ、香奈の好きな赤が手に入ったから持ってきてやったぞ」
玄関の扉を開けると、上機嫌な健太の顔。
右手で持ち上げた細長い袋からは、ボルドーのワインボトルが覗いている。
「わ、これ飲みたかったビンテージものだ」
20歳でお酒の味を覚えてから、一番嵌まったのが赤ワインだった。
甘いお酒よりも、辛みや渋みを感じる方が好きで、日本酒なら辛口。
お酒のあても、自然チーズとか、たこわさとか、独特の風味のあるものを好んだ。
健太からワインを受け取り、リビングのテーブルに置いた。
健太は私の頭を引き寄せて軽くキスすると、ネクタイを弛めながら、ソファへ私ごと倒れこんだ。
仕事を終えて、お酒やつまみを持って、うちへ来る健太のルーティンのような流れ。
この後、多分このままここで、体を重ねる。
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