第39話
こんな、意識も思考も溶かされて、まともに考えることもできない状態にしてから聞かれても答えられるわけない。
というか、もしかしてそれを狙ってる?
自分以外感じないようにさせて、自分の名前を言わそうとしてる、とか?
「……ズルくない?」
私の思っていたことが伝わったのか、理央くんは「ちぇっ、バレたか」と拗ねた顔をした。
年下なのに普段の大人びた印象の彼には見ることがなかったその年相応の表情に、胸がキュンとした。
ギャップ萌えというやつか。
「……じゃあ、もう答えなくていい。迷ってるなら教えるまでだ。俺と、俺以外のどっちがいいのか」
言うなり、私を足で囲んだまま体を起こしてシャツを脱ぎ捨てる。
露出した肌を真っ直ぐ見ていられなくて目を背けた。
初めてじゃないのに、何度もこの胸に抱かれているのに……だからこそ余計に見ていられないのかも。
気恥ずかしさで泳がせた視線の端に、理央くんの手が私の胸元に伸びてきたのが見えた。
シャツのボタンが外されていく。
「待っ……」
「待たない」
思わず胸元を隠した手を簡単に掴み上げられて、頭の上で縫い止められる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます