晴れを知らない心
私、田宮 麻衣(たみや まい)悩み事が多い中学2年生。
毎日毎日、重苦しい気持ちに埋もれてる。
心から晴れやかに楽しめる瞬間は
私の人生に訪れるのだろうか…。
「まいちん、おはよう♪」
この子は、木之元 芽衣(きのもと めい)。
いつも一緒にいる友達だ。
「おはー!めいちん♪」
芽衣「てか昨日のさーテレビ見た?!」
麻衣「あー!みた〜!ねぇちょっと聞いて!またモノマネレパートリーに加えたからっドヤっ!」
芽衣「やば!めっちゃ似てる!!wwねーみんなも見てみて!またまいちんが面白いことやってる!」
そう、私は基本面白い事を見るのもやるのも好きだ。
だから人を笑わせるのがすごく好き。
どんなに暗い気持ちが心を覆ってても
人がいる場所だとこうやっておどけてしまう。
♪キーンコーンカーンコーン
芽衣「じゃあまた次の休み時間でねっ♪」
麻衣「うん!またねん♪」
もちろん、みんなの前で明るく振る舞ってるのも
本当の私。
でも内心常に心に暗雲が立ち込めてるのも事実。
昔から思ってる事をそのまま相手に伝えるのが苦手だ。
どんなに苦しくても、顔でも苦しいっていう表情をしちゃうと、余計に苦しくなりそうで
人前では辛くても笑ってしまう。
「起立〜礼」
「今日は単元一〜…」
授業は全然頭に入ってこない。
教室の外を眺め続ける。
少しでもこの心にかかってる暗雲を払いたくて。
芽衣「今日のホームルームも長かったね〜睡魔がやばかった〜」
麻衣「それな〜!ねね!この後いつものとこ行っちゃう?♪」
芽衣「あっごめん!今日習い事だった〜!また明日誘って!」
麻衣「おっけ〜!頑張ってね!」
芽衣「ありがとう!じゃまた明日学校でね!」
麻衣「うん!ばいば〜い!」
さて、帰るか、、
私のお家は住宅街にあるごく一般的な戸建て。
またお父さんが帰ってくるまで夕方の再放送のドラマでも見るか、、
到着っと、、て、あれ?
鍵がない?!
うわぁ〜サイアク
部屋に置きっぱなしだった、
'あの人"はいるだろうけど
ピンポン鳴らしても出ないんだよな〜
まあダメ元で鳴らしてみるか、、
♪ピンポーン
…
♪ピンポーン
…
♪ピンポーンピンポーン
…
はぁ〜やっぱ出ないよね、、
仕方ない、おばあちゃん家に行くか、、
ほんと、いつも何してんだよ
暇なくせに人のこと閉め出しやがって
今にも表札やら花壇やらを蹴り飛ばしてメチャクチャにしたいほどのイライラと憤りを押し殺して
自宅から5分の距離にある祖父母の家へ向かう。
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