第10話

これ以上は、居心地悪くなったのだろう、高野さんはそそくさと逃げる様に出て行ってしまった。



もう少し、あの可愛さ見ていたかったな。




名残惜しげに彼女の出て行った扉を見る私の耳に、宮ねーがなんだか面白そうにクスクス笑っている。




「付き合ってる彼女に、10万近くするネックレスあげちゃう様な可愛い先生だったんだなー」




宮ねーの言葉に食いついたのは、値段。




「10万⁈高野さん値段知ってて着けてるのかな?普段使いには出来ないよ、私」





「知ってるとは思えないね。ブランド名言って初めて知ったみたいな顔してたし」





確かに、もし知っていたら絶対着けないだろうし、突っ返しそう。




「先生も心配なんでしょ、高い首輪着けておけば、おいそれと虫は寄らないでしょうしね」




なんて夢のない解釈を。

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