7月 大暑

第26話

「……では、開始してください」


チャイムの音とともに、一斉に紙をめくる音やかたかたと鉛筆を走らせる音が響く。

わたしは、大学生になって初めての試験期間を迎えた。いや、迎えてしまった。



7月の中旬頃から、試験が終わるまでは勉強する期間も含めてバイトはお休みさせてもらっている。店長には最初ごねられたが、場合によっては辞めることになるかもしれませんと伝えると、ひかりに今少しの間だけ休まれるのと辞められるのだったら、絶対前者のがマシと納得してもらった上での休業だ。


しかし、正直なところ、難航していた。

わたしの通う大学では、大学側が設けている試験期間中に行わず、前期最後の授業でやる場合もある。だからひとつの科目に集中して勉強できるけれど、期間がとても長く感じる。

通常の試験以外にも、レポートを提出することで試験を受けたことになる科目もあったりで、こんなにやることがいっぱいだとは。

高校生のときよりさらに自分でなんでもやらなきゃいけなくて、自由ではあるけど不自由な感じがする。


これをこなして卒業していった先輩たちを心から尊敬します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る