第17話
あたしたちは、どうするのかなあ、誠ちゃんが3年になっても引退せずに部活を行うということで、張り切っていた。そんな誠ちゃんを拝見したくて、最近は学校まで見学しに行くようになっていた。あたし以外にも、他校生はたくさんいる。バスケットをしている男子って、ものすごくかっこいい(最近のみんなはサッカー男子や野球男子に夢中のようだけれど)。
練習が終わり、居残りも終わったころ、誠ちゃんのもとへ向かう。おつかれさま、そう言ってドリンクとタオルを渡した。
「ありがとう。俺の専属マネージャーさん」
彼の言葉に、うふふ、と笑ってしまう。彼もつられて笑っていた。
「ねえ、あたしたちって、この先、どうなるのかなあ」
誠ちゃんの着替えが終わって、帰り道、自然な感じでなんとなく呟いてみる。すると彼は、わからない、と言った。
「わからない、けど、俺はこの先もずっと、優莉藍といっしょにいたいって、思ってるよ」
「それは、どうして?」
それを、言わせるの? 彼の問いに、あたしはうん、と頷いた。だって、告白されたとき以来、すきって、言われてない気がするもん。
「…すきだから、だよ」
そう言って、彼の顔は真っ赤に染まっていった。キスしたり、そういったことは得意なのに、たった2文字を伝えるときになると、ヘタレになってしまう、あたしの彼氏は、最高です。
(終わり)
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