好きだから、いいよ
第14話
3年生になって、高校生活も、今年で終わろうとしている。それまで、自由にしてきたみんなだけれど、この先、大学や専門学校へ進学するのか、就職するのか、なんてことを悩み始めていた(ちょっと遅いような気もするけど)。
「あんたはさ、どうすんの?永遠就職でもするつもり?」
永遠就職、というのは、いわゆる結婚、ということだろう。菜月は、高校1年のときにつきあっていた彼と別れ、あれから2人の彼とつき合ってきていた。いろんな人とお付き合いをするというのも、少し憧れるけれど、あたしは誠ちゃんだけで十分のような気がする。
「まだ、永遠就職するつもりは、ないよ。大学は行きたいもん」
「学生結婚、というものがあるじゃないですか。それは、しないんですね?安定してから、なんですね?」
珍しく、あたしにたくさん訊ねてくる菜月。なんだか、珍しいよ、ほんと。「まだ、そのことは、誠ちゃんと話しあってないし、誠ちゃん、バスケで忙しいから、結婚なんて、そんなもの頭にないと思うよ。たしかに、学生結婚って、華やかかもしれないけど、実際、大変だと思うな。一人暮らしで、学業と家事とアルバイトをするだけでも、大変だろうに、それにプラス、結婚、が混ざってくるんでしょ?あたしだったら耐えられないなあ」
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