第5話

受験、当日。


結果は上々。よくも悪くもなく、志望校には合格し、あたしは中学を卒業する。





母親とは、柿崎に聞かされたものもあって、なんとなくぎこちない生活を送ってきた。


でもあたしはそれを制止しようと決意した。










「卒業おめでとう、依南ちゃん」


「…ん」


「いつもいつも家事ばっかやらせちゃってごめんね。私も少しはや…」


「ねぇ、お母さん」


「なぁに?」


「柿崎、って人と不倫してるって、本当なの?」


「…っ、どうしてそれを…」


「…本当、だったんだ」


「ち、違うのよ、依南ちゃん。あたしと柿崎さんは…っ」


「もう、いいよ。お母さん」


「…」


「あたし、出てく」


「え?」


「義務教育も卒業したし、あたしだってバイトできる年齢になるんだよ?だから、あたし、ひとり暮らしするよ」


「何云ってるの…?」


「あたしがいないほうがいいんじゃない?だって、娘のこと気にしないで不倫できるじゃん」


「だから柿崎さんとは…」


「柿崎さんとは…何?」


「不倫じゃな…」


「そんなこと…信じられるわけないじゃん…!」

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