第22話

「茉梨乃、ちゃん…?」



「………本当は、煉くんのこと、告白される前から、知ってた。1年生のあいだでも有名で、かっこいいなって。

 だから告白されたとき、心臓が飛び出そうなくらい嬉しかったの。…でも、あたしのこと好きっていうのも、本当は嘘なんじゃないの…?」


彼女はまた一つ、涙を零し俺に言った。






「…そんな風に思ってくれたなんて…俺、全然知らなかった。

 俺…確かに今まで最低だったと思う。自分でも認めてるよ。でも、茉梨乃には、一途だから。この言葉に…嘘はないから」



「ほんと…?」



「うん。俺のこと…信じて…?」


俺は彼女の頬に伝う涙を指で拭う。





「…じゃあ」



「?」


茉梨乃ちゃんの言葉に、俺は耳を傾ける。

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