第3話

「あ、そうなんだけど…」



「名前、わかります?」



「わかんない。でも、ふんわりふわふわの…」



「あ、マリノちゃんかな…」



「マリノちゃん?」



「あ、はい。いつも野良猫かわいがってる女の子ですよね?」



「あー、そうそう」



「それならもう帰っちゃいましたよ。あの子、帰るの早いですから」



「そうなの?じゃあ、もう会えないかな…」



「たぶん、野良猫と一緒にいるんじゃないんですか」



「どこに?」



「先輩、野良猫かわいがってるのを見たことあるんですよね?」



「あ、うん」



「それなら、その見た場所にいるかと思います」



「あ、そうなんだ。ありがとう、教えてくれて」



「いえいえ。…もしいなかったら申し訳ないですけど…」



「いや、大丈夫だよ」



俺は女の子2人に軽く会釈して、学校を出た。

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