薬のない病にかかりました
第1話
うー…お腹、痛い。
生理痛という枠を超えた痛みだよ、これは。
「そんなに痛いなら病院行ってくれば?
はい、お金」
娘がこんなに痛がっているというのに、母は寝転がりながらテレビを観てゲラゲラ笑っている。
そして、お腹をポリポリと掻きながらテーブルの上に1万円札を置いた。
あまりにも他人事すぎません?
少しは「心配」というものはないのかと思いつつも、やっぱりこの痛みには耐えられなくてあたしは病院へと向かった。
受付まで済ませてから思うのもなんだけど…急に怖くなっちゃった。
脚、開くんでしょ。じっくり見られちゃうんでしょ。
やだよー恥ずかしくなってきちゃった…!
「…あの、さっきから呼んでるんですけど…」
「す、すみません…!」
親切に看護師さんがあたしの目の前までやってきて、そう言ってくれる。
あたしはさらに恥ずかしくなりながらも看護師さんの後をついていき、診察室へ入った。
「どうされましたか?」
医者が別室からやってきてあたしの目の前に座る。
「はい、実は…」
そう言いかけて顔を上げると、若い美形の先生がいた。
あたしはつい見とれてしまった。
ハッと我に返るとさっきまであんなに痛かったお腹の痛みがひいていた。
「…なんか、さっきまで生理痛でお腹痛かったんですけど、おさまりました」
「そうですか。 じゃあとりあえず痛み止め出しておきますね。また痛くなったらきてください。今日は診察はしませんので」
「はい…」
そうしてあたしは診察室を後にした。
診察室をを出てからもあたしは先生のことが忘れられず、顔は熱いままで胸もドキドキしていた。
どうしてだろう…?
薬のない病にかかりました
(先生、毎日病院通います)
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