第17話
和の家には何度も行ったことがある。
だから別に変な緊張などはしない。
なのに、今日や明日、和の家を行くことをためらう理由。
それは。
あたしはほとんどの予定が美月とで埋め尽くされているから。
「…俺、美月ちゃんにすごく嫉妬してる」
「な、なんで…」
「だって…花は俺よりも美月ちゃんを選んでるわけでしょ?」
「そ、そんなんじゃないけど…」
「わかってる。わかってるよ。でも、なんか嫌なの。俺とずっと一緒にいて欲しいの」
「か、和…」
「じゃ、また明日ね」
チュッ、とあたしのおでこにキスを落として、和は電車に乗るために、2番線のホームへと消えていった。
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