第8話

「…花?」


「え…なに?」


「どうかした…?」




そう言ってあたしを下から覗き込む。





や…やめてよ。


無意識にそういうことするの。






「いや…別になにもないけど…」



あたしは直接顔を見ることが出来なくて、和とは反対側に顔を向ける。



「…俺、何か悪いことしちゃった?花に…」



「ほら、さっきもなんか…」和は寂しそうに笑って言う。




「別に…何もないよ?さっきのも…美月に冷やかされたくらいだし…」


「冷やかされるの、嫌だよな?」


「別に慣れてるからいいもん。でも…今日は一人で帰る」


「えっ、ちょ…花?!」



和の言葉なんて無視して、あたしは早歩きで駅まで向かう。

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