第33話
『俺は…まだ決まってないよ。もし麻緒ちゃんが俺と行きたいなら、麻緒ちゃんに合わせるし』
『それは…ダメなの!私が裕二に合わせるから!』
『どうして?』
『だって…私よりも頭のいい裕二が、私に合わせて学校のレベルを下げるなんて…そんなの惜しいもん』
『いいんだよ。俺は。別に好きで勉強やって頭がいいわけじゃないんだし。…どちらかといえば、部活を優先したい感じだから』
そういやって話す裕二が嘘をついているように思えた。
だって…勉強しないで頭がいいなんて、ありえないもん。
たとえ頭のいい人だって…多少は勉強しなきゃ、好成績を維持するなんてこと、絶対にできないと思う。
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