第3話

「あ、あの~…」


「…君さ、」


「は、はいっ」


急に先輩が口を開き、あたしはびっくりして声が裏返る。



は、恥ずかしい…。












「…俺のこと、好き?」


「……………は?」


先輩の言葉に、あたしは唖然とする。


まさか、先輩が、そんなこと聞いてくるなんて思っても見なかったから…。







「だって君さ、いつも俺のこと見てるじゃん。痛いくらいに君の視線感じるんだよね」


「…っ」


気づかれてたんだ、見てたの…。





「…で?俺のこと好き?」


「………す」


「え?」


「好きじゃ、ないです…!ごめんなさい!あたしの好きな人に…、似てて…それで…!ほんと、すみません…!」


「ちょ、君?!」


あたしは先輩の言葉なんて気にせずに走って学校を飛び出した。



…もう、見ないようにしなきゃ。


先輩にとっては、すごく迷惑な話だよね。

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