MMC~魔王の力でモン娘部隊と最強ヒーローチームを作ります~
ムネミツ
第一章:俺とモンスターメイド達編
第1話:俺とモンスターメイド達
「やめろハーベストの魔女野郎、ぶっ飛ばすぞ!」
「イ~ヒッヒ♪ 縛られてるのに、威勢の良い小僧だねえ?」
薄暗い廃工場に俺の叫びがこだまする。
黒のローブにとんがり帽子といかにも魔女の婆さんが、デカい鍋で緑色の液体を焚火で煮込みながらネルネルと音を立てて杖で鍋の中身をかき混ぜている。
どう見ても人体に良いもんじゃねえ!
俺は学校帰りの学ラン姿で、工場の柱に豆の蔦で縛られてピンチだ。
最近話題のケーキ屋が、悪の組織の隠れ蓑だったなんてわかるかそんなもん!
このご時世、何処に悪の組織の罠が潜んでいるかわかりゃしねえよ。
こういう時、テレビ番組ならタイミング良くヒーローが助けに来るか残念ながら俺が死ぬかの二卓になる。
俺は必死にあがいて助かる道を選ぶぜ、死んでたまるか!
「い~ひっひ、お前さんどうやら珍しい異能持ちだねえ♪」
魔女の野郎がこっちを見ると、奴の顔の前にゲーム画面みたいなのが出る。
「まさか、俺の異能が関係してるのか?」
「さ~てね? 魔女集会に連れて帰って、売りに出しても良いが異能持ちを私の薬の実験台にしてみたいねえ♪」
ヤバイ、くそ! 豆の蔓ならかじれるか?
俺は生き抜くべく、自分を縛る豆の蔓へとかじりついた。
同時に響く爆発音に魔女が振り向く!
閉じられたシャッターが爆破されて煙が上がった。
「何者だい! ま、魔力だって!」
「何だ、助けか? 熱っ!」
爆破されて煙が上がる廃工場の入り口から誰かが入って来た。
同時に、俺の下腹部が熱くなる。
「救出対象発見! モンスターメイドコマンドーズ、ゴー!」
「「ヒャハ~~ッ♪」」
アニメで聞いた美少女の下品な叫びと同時に、赤い光が廃工場内に迸る。
「馬鹿な! 人質がいるのにビームライフルだって?」
煙の中からビームライフルを乱射する何者かに叫ぶ魔女のババア。
怪しい実験を放り出して虚空から杖を召喚し、謎の集団へ杖からビームを出して応戦し出す。
いや、悪党でもそう言う常識はあるんだなと感心する。
「勇太お坊ちゃま、確保ですわ♪」
俺の背後で美少女の呟きと共に、豆の蔓が切り落とされる。
同時に、無数の包帯が俺を縛り棺へと引きずり込んだ。
「でかしたでちゅ、マミーラ♪」
「さあ、ここからはお坊ちゃまには見せられない殺戮タイム」
「私達のお坊ちゃまに手出しした罪、万死に値します」
何か、複数人の美少女ボイスが聞こえるが棺に閉じ込められて見えない。
「お坊ちゃま、悪い魔女は私達が退治いたしますので少々お待ち下さいね♪」
マミーラと呼ばれた人の声がする、何か安心できた。
モンスターメイドコマンドーズ? 何か俺の性的嗜好に刺さるな。
「げげ~~っ! 化け物共が何でこんな所に!」
「ああん? テメエが、私らの愛しいお坊ちゃまを襲ったからだろうが!」
「私らとお坊ちゃまとのお目見えの時間を邪魔したのは許せないね」
「魔女ネルネール、地獄へ落ちなさい!」
モンスターメイドコマンドーズと魔女のやり取りと銃撃の音が聞こえる。
だが俺はここで守られているだけで良いのか? 魔女の奴を自分の手で倒したい!
俺の中で黒い怒りが燃え上がる、もしかしなくても今が力の使い時だ。
「マミーラ、力を貸してくれ! 俺のこの手であのババアはぶちのめしたい!」
「まあ、お声がけいただきありがとうございます♪ では、これより私の愛情たっぷりのモンスターパワーをお坊ちゃまに注入させていただきま~す♪」
棺の中から針が飛び出し俺の全身を突き刺すと、体の中に熱い何かが注がれる。
「うぎゃ~~~っ!」
激痛に加えて体が熱い!
洪水みたいに何かが体の中を回り出して、力が漲り弾けそうだ!
「あ、マミーラが抜け駆けしたでちゅ!」
「ずるいですわ!」
「不服!」
「何言ってんだい、化け物ども! ……っぐ、この膨大な魔力は後ろか?」
棺から出ると、魔女のババアが俺を見てうろたえた。
そして、魔女の周りには俺好みのヴィクトリアンメイド姿に銀色のライフルを抱えたモンスター娘達がいた!
「化け物はお前の方だ魔女のババア! きっちりやり返してやる!」
「げげっ! 小僧がエジプトっぽい金の仮面と鎧を纏ったミイラ男に!」
「ミイラの力を喰らえ、パピルスバインド!」
俺はババアに向けて両腕を突き出すと、掌から呪文が刻まれた包帯が伸びて奴を縛り持ち上げてから地面に叩きつける。
「流石は我がファラオ♪ 素敵ですわ、お坊ちゃま♪」
後ろでマミーラが俺を讃える、女子から称賛されたのは初めてだ。
「グぬぬ! おのれ化け物使いの小僧が!」
「彼女達を化け物と言うお前が化け物だ!」
「「素晴らしいです、お坊ちゃま♪」」
魔女衣装の婆さんと、ソシャゲに出て来る可愛いモンスター娘と一緒にすんな!
俺は容赦なくネルネールと言ったババアを放り投げて壁に叩きつける。
老人虐待も良い所だが、悪党に容赦はしねえ!
頭の中に力の使い方を示す文字列が浮かぶ。
「ラーの威光を借りて、今必殺の太陽ビーム!」
神聖なる太陽の力を借りて額から金色のビームを放つ!
「ギャ~~ッ!」
俺のビームを浴びたネルネールは、燃え上がり爆散した。
「お坊ちゃま、キャッチですわ♪」
元に戻った俺は、力が抜けて倒れかけると頭に柔らかい物が当たり誰かに受け止められた。
「あ~~! 今度はヴィクトリアに先を越されたでちゅ!」
「流石ヴァンパイア、隙が無い!」
「むむ、悔しいですがそろそろ撤収いたしましょう」
彼女達の声で意識が戻る。
「えと、助けてくれてありがとうございました?」
俺は金髪縦ロールで高身長筋肉質、かつグラマラスなメイドさんにお姫様抱っこされていた。
「いえいえ、当然の事ですわ♪ 私、ヴィクトリアと申します♪」
「宜しく、吸血鬼なんですね?」
「はい、後で血を少々いただきます♪」
属性盛り過ぎなヴァンパイアメイドさんだった。
「ほら、さっさと撤収するでちゅよ!」
「お坊ちゃまもお乗り下さいませ」
「さあ、まずはご自宅へお送りいたしますね♪」
「モンスタートレーラーだよ、乗って」
いつの間にか来ていた、ドラゴンの頭を模した銀色のトレーラーに乗せられる。
赤毛のワーウルフメイドは前の運転席、
黒髪褐色肌に包帯を巻いたマミーラさんは助手席だ。
後部のコンテナは壁に銃器とか壁に掛けられていた。
俺は満面の笑顔を、ヴィクトリアさんともう一人にこっちに向けられていた。
「えっと、皆さんは一体どういう方々で?」
「ああ、私達はあなたの味方ですよお坊ちゃま♪」
自分はアラクネのクーネと、ピンクのショートボブで複眼蜘蛛女のメイドさんが名乗りながら答えてくれる。
普通なら安心できない状況だが、モンスター娘好きな俺はドキドキしていた。
古めかしい日本家屋な自宅前に降される。
「それではお坊ちゃま、御名残り惜しいでちゅが失礼いたします」
「ああ、アネットさんもありがとう」
「いえいえ、後日お迎えに上がりまちゅから♪」
赤髪のワーウルフ娘、アネットさんは泣きながら車を走らせた。
しかし、拉致されるとか散々だったが俺も力がやっと使えたぜ。
でも俺の力、どちらかと言うとヒーローよりは怪人寄りだよな?
モンスターの力を注がれて変身は、怪人化じゃね?
何か、ヒーローっぽい変身アイテムとか手に入れないとな。
そして、ヒーロー免許も取りに行かないとな今後も戦う為に。
俺は机の上に置いていた、ヒーロー免許の参考書を手に取る。
学科は行ける、実技試験なんだ問題は。
だが、あのメイドさん達から力を借りられれば実技も取れる。
今度こそ手に入れるぜヒーロー免許、待ってろよ!
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