登場人物【マ行】

第9話

【マ行】


☆マイク花草(はなくさ)

 東京の明治神宮前、表参道の路地裏にある喫茶「ひなぎく」の店主。この店はライブ喫茶も兼ねた作りでステージもある。

 彼自身は教会の暦人をまとめる役目のようで、シスター摩理朱の上司にあたる。また多霧の時巫女の夫でもある。暦人の位置づけとしては港区の飯倉御厨の角川家と双璧をなす東京屈指の暦人である。彼の仕事場は、この喫茶の地下室にあり、豪華で高性能なオーディオ類が置いてあり、音楽評論なども書いているジャズマニアである。

1st『Ep.-3アイビーと雛菊-暦法改正のアミュレット-』では越模映美をだまし、時間の谷間へとアミュレットを使って導くこともあった。彼らの暦人としての素質を確かめるためだ。

 どの程度暦人の隠れ技を持っているか、常に分からない人である。ただシスター摩理朱がかなわないほどの知識量であることは間違いないようだ。他の暦人とはあまり積極的に交わらないが、顔を合わせれば特に嫌悪もなく付き合うというスタンス。ただしばつが悪いのか、港区の角川家の人間とは表向きあまり接触しないようである。

 ちなみに、渋谷区のこの喫茶「ひなぎく」は、相南の「さきわひ」、港区の「モントル」同様、時の迷い人になった際の避難場所である。

①東京都渋谷区②?③モデルガンとカーボーイハットの収集・オーディオ④暦人を探し当てること⑤ライブ喫茶ひなぎくオーナー・経営者⑥東京カレンダーガールの管理者




☆丸善子

→角川善子


☆御手洗カノン(みたらいかのん)

 架空の島、相南の絵の島でお食事処、湘南おでんの店「第七片瀬山丸」を経営するかたわら、時の翁の協力者として、時間のなかで起きる不祥事を未然に防ぐための調査をしている。息子の伊夫須いおすが調理で手伝いをすることが多い。



☆三井みずほ(みついみずほ)

 榛谷御厨の御師。講元宿「ワンダーランド」の店主。祖父の代には、「眺望亭」という屋号だった。祖父が御師の三井三右衛門みついみつえもん。早くに父を亡くし苦労人である。山崎と多霧の時巫女の愛情で復活した人生。強気な姿勢と明快な謎解きで暦人としての能力は高い。少々跳ねっ返りなので、阿久晴海との衝突も多い。ちなみに店名のワンダーランドの名前はルイス・キャロルの小説からではなく、本来の意味である「眺めの良い場所」とか「眺望の場所」という意味から来ている。なので店内は、山や海の写真でいっぱいだ。2ndの第二話で時巫女に足利に飛ばされて、夏夫にキスするところから始まる。その後晴海の恋のライバルとなる。幼馴染に時魔女の勘解由小路歌恋かげゆこうじかれんがいる。

①神奈川県横浜市②横浜翠荘よこはますいしょう高校普通科③自然造形写真撮影④託宣解読⑤喫茶ワンダーランド経営⑥榛谷御厨御師


☆三越省治(みつこししょうじ)

 日月町の郵便局、特定局長。彩香や高島の上司。


☆ミヤ

 山村愛珠の持つ金釵子。既に百年以上を経過しているその釵子に魂の宿った付喪神。姿は八重桜の花を掲げた前天冠まえてんがんを頭上にまとい、舞の衣装である千早ちはやを巫女装束の上から羽織った美しい女性。この付喪神は人形の姿の時は、実体の釵子は無くなる。分離せずに変身するタイプの付喪神である。



☆メアリー・アダムス

 アガサ夫人の実母。若き日に横浜で青春時代を過ごす。


☆明治美瑠(めいじみる)

 山崎美瑠。見た目はそこそこなのに、静かで、しっかりしすぎて、しかも異性に奥手、男性とのご縁が遠かったイメージ。周りにひとりはいそうなそんな女性。

 性格はスゼリビメと宗像三女神のイメージを重ねている。琵琶をはじめ楽器が弾けるのが宗像三女神。その影響で、鍵盤楽器の演奏者に設定。実際に三女神は芸事や楽器の神さま。ピアニストの限定をやめたのは、多くの楽器が出来ないと物語が拡がらないため。

 一途な性質は、スゼリビメ由来である。スゼリビメは神話の中では、この人と決めたら、大国主を助け出し、押しかけてまで一緒になる一途さである。前妻ヤガミヒメは逃げてしまう程の積極的なアタックだ。ただこの物語ではライバルはいないので、そこまでの積極的な性格を美瑠には与えていない。またスゼリビメも琴にも関係する神さまで、これまた楽器と関連する。それを示唆する出来事は、1st『Ep.-4チェンバロが奏でるひまわりと麦わら帽子の詩』の最後のシーンに描かれている。そこに寡黙さと、気立ての良さを加えた登場人物。1st『ep-9 山里のキーノート-ミヤマオダマキと瑠璃イワナ』(2018年)で山崎の妻となる。

 町山田の生まれで、実家はコンビニ。実兄夫婦が今も経営している。趣味はお菓子作りで、その腕前は玄人裸足である。物語全体の役割としては、相南と町山田の二つの舞台をつなぐ役割もしている。


①東京都町山田市②町山田女子大短期大学③お菓子作り④オルガン演奏⑤ギャラリーの手伝い(1st)・主婦(3rd)⑥大庭御厨


☆森永ちこ(もりながちこ)

 旧姓東鳩ちこ。1stのエピソード1で美瑠と幼なじみと言うことが発覚した新婚女性。学芸員として美術館に勤務している。住まいは相南市の新築一戸建て。岩戸地区のひまわり畑向かいにある。1st『Ep.-5女神フローラの住む薔薇のアトリエ』ではみごと、絵画の寓意的解釈をもとに託宣を解釈する頭脳明晰な部分を披露。静かな気配りの美瑠と対照的に、静かな才女という性格が目立つ。頼まれなければ、特に前に出てくることもなく、穏やかな性格と一歩下がる性格は美瑠と同じ。

①東京都町山田市②超一流私立大学教養学部③絵画鑑賞④美術品修復⑤公立美術館学芸員⑥大庭御厨

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