~異世界消夢~ 異世界召喚されて消えた夢

@nariyomu

プロローグ1/4

俺の名前は成也智なるやさとし。

どこにでもいる陰キャの高校二年生だ。


学校ではあまり目立たずにいたせいか友達が少なく親友と言える奴がいなく、 このまま俺は親友を作れないんじゃないか、そう思ってしまう毎日だ。

欲しいか欲しくないかで言えば欲しい。

昼休みに教室のど真ん中で陽キャグループと大声で話すとか、放課後の胸キュンドキドキデート♡とかそんなものに希望を見いだしている。



何を隠そう、俺は大のオタクだ。

俺だって、オタクに優しくて可愛いギャルとか、うちの学校に転校してきた可愛い子が偶・然・にも自分の席の隣に来るとか、あわよくば、昔遊んでた幼馴染みが実は男の子じゃなくて女の子だった。みたいな、オタク俺達が喜ぶ展開に出くわしたいぐらいだ。だけどそんな展開はそうそう出くわすことは無いだろう。


 ちなみに、俺には数ヶ月前に同じオタク仲間が同じクラスにいたのだが、家の都合で引っ越してしまった。


 俺を一人にしたことは今後許すことはないだろう。

 と、親友に対する理不尽な怒りを頭の中で愚痴っていると、担任教師が教室に入ってきて、ホームルームが始まった。ホームルームが終わると授業が始まり、退屈な日々が続く。


 「……早く終わらねぇかなぁ」

 

 ボソッと放たれた言葉は誰の耳にも届くことはなく、放課後を迎えた。

 ごく普通の何の変哲も無い毎日がこのまま続いていく。

 二週間前まではそう思っていた。


 そう、二週間までは。


 だけど今の俺は毎日がハッピーなのだ。幸せすぎて辛いとはこの事を言うのだろう。

 

 なぜさっきまで退屈そうにしていた俺がこんなことになっているかって?

 その理由はもうすぐ分かるさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る