第4話 冷たい春 終わりの春1
あたしとアキは高校生になった
受験が控える時期につれ、先生はうるさく髪やピアスについて加速装置がついたかのように言ってきた
受験日前には一旦直すからほっといてやと2人で言い続けた
進路指導室へ足が運ぶ日々
アキは途中で投げ出して
「あーもー知らん。せやったらどうでもええわガッコとか進学とか」と、進学を投げ出しかけた
なんだかんだと成績自体は2人とも悪くは無い
だから校則の緩いと聞く、それなりの偏差値の高校を志望した
それで受かればいいのだから放っておいて欲しいアキ
まああたしもだけど
流石に進学を投げ出しかけたアキを止めるは一苦労だった
けれど、紆余曲折を経てなんて大層な言葉を使うほどでもないかもしれないけれど、2人ともその学校に受かり進学が決まった
卒業式、泣いたり笑ったりもなく
お別れ会にも出ずに
やっと義務教育卒業や!と、卒業式が終わった瞬間、あたしの言葉を聞くまでもなく、誰よりも笑顔で、それはもう清々した顔で
あたしの手を引っ張り学校をあとにした
まあ、惜しむ事もないからそんなゆっくりと学校を離れる事もないんだけど
春休みも色んな所へ行った
ドライブだけじゃなく、アキのお兄の働いてるクラブで義務教育卒業パーティーしたり
ついでにちょっとバイトさせてもらってお小遣い稼ぎしたり
春休みを楽しんで、入学式を迎えた
ちょっとはなんか変わるんかねぇ
アキはあまり期待してない様子でぼやいていた
卒業式の日は喜びと清々する感じで一杯やったけど、いざ春休みが終わると、つい先月のような感じに戻っていた
案の定というべきか、そんな価値観が変わるほどの変化なんてなく、高校生活が始まっていった
いつものアキに戻ったまま
ふと、思った
アキは何がどうなったら退屈やなくなって、満足するんやろって
中学までの義務教育までとは少しは変わったけど、それはアキが期待するような満足するものではなかった
比較的自由な校則だから、髪やピアスについて教師に小言を言われる事も無くなったくらい
でも、あたし達くらいの奇抜な色をしたクラスメイトは居なくて、ちょっと浮いてる感じはした
アキもあたしもそんな事気にもとめないけど
4月も終わりだというのに、少し長く冷え込んだ今年の春は過ぎていく
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