序章

天界･人界･冥界

ここはその三界のどこにも属さぬ界。

鬼の住む世界

通称鬼ヶ島である。

「ずっと不思議に思ってんだけど……」

「何？」

「うちの奥様ってなんで……釘バットなんて持ってんの？」

「なんでって……金棒より攻撃力がエグいからって聞いてる」

「恐っ！！うちの奥様恐っ」

「多鬼(たき)」

「っっ！？ンギギギギギ……奥様……」

「そんなに気になるなら、いらっしゃい。どれだけエグいか貴方の身体で確かめてあ･げ･る」

「いえいえ奥様そんっっ！？ごるぁっ真鬼(まき)っ！！離せぇえっ！！」

「あたしは奥様の味方」

「良くやったわ真鬼。そーれっ！！」

「ギャーーーーーーーーーーーッ！！」

「また多鬼の悲鳴だわ」

「いつものことね」

鬼ヶ島、鬼の主"刹鬼"の屋敷での日常の一コマである。

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