「ミユキ、職安で働いています。」

宇宙書店

第1話 流石はミユキ。先ずはグチから始める。

「あああ!もうやだ!」

「靴下が蒸れるうゥ!」


 この仕事の面接の時に、面接官から「靴下が蒸れますけど。」って告白されたのは確か何だけど、其れが理由で普通、仕事なんか断らないじゃない?


 勿論採用されたわよ、何時の頃かは忘れたけど。

 ワタシ、有能だからさ。

 靴も靴下も履かないって云う選択肢も在るんだけど、一応は客商売だからね。

 まぁ、ロクデモないのしか来ないけど。


 このワタシの仕事場のカウンター越しから見える光景は、只ひたすらに長くて、向こう側の更に向こう側まで続く、失業宇宙人者達が並ぶ、星座の『へび座』の様なクネクネした行列。そして奴等を取り囲む、紫色の世界。

 ワタシ、実はこの色、大嫌い何だけど?

 ワタシが生まれる前からコノ世界だから、ワタシの我儘で「もぉ何処かに行って!」何て言えないわよね。チッ。


 もうココまで描いたら、ワタシの職業が如何に大変だって、皆んなも予測出来たと思うけど、アンマ直ぐに、ワタシに逢いたいから自殺しましたッ!なんて事言って来ないでよ?仕事は楽に限るじゃナイ?


 シツコイ奴は、来世の宇宙人人生、一体如何なるか分かんないよ。

 ワタシが決めるんだから。



「そう、アンタ達の世界では、ワタシは神様って呼ばれてんの。女神、でも使い方は間違ってはナイわ。」



ミユキ

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