第6話 今日の宇宙店主
皆さんどうも、宇宙店主です。
ああ、やれやれですね。
宇宙書店でアルバイトとして働いてくれて居るナオミちゃんも、地球に無事に戻って参りまして、この宇宙店主、やっとまた買い付けの仕事の方に集中する事が出来ます。『宇宙書店』と名を打って、実際に発売して居る本は、未だ一冊も在りませんからね!
然し何でしょう、地球の実店舗で暫くの間、店番をして居て、殆ど椅子に座って居りました。ウゥン..なんだか少し体の方が鈍くなった様な、なってない様な..
と云う訳で、宇宙店主は『ジム カシオペア』へ買い付けの前に、チト寄らせて頂きます。
地球人の皆さんが『ジム』と聞いて、直ぐに連想するのが、地球上の其れはもう小さく狭い四角い建物の中で、大地球人数の力自慢の地球人達が、ワサワサと体を動かし合うと云う、とても貧相で何とも滑稽な画な地球時間を過ごす場所、とマァこんな感じですか?
『ジム カシオペア』は、何処かの惑星の中の建物にある訳では在りません。この宇宙空間其のものが、このジムなのです。ジムの看板が立って居る、受付け星は存在しますけどね。看板は、アメリカ合衆国のラスベガスの電光版みたく、ギラギラ輝いて居りまして、漆黒色の宇宙世界の中、宇宙船を操縦して居る宇宙人の皆さんにも、直ぐに分かる展開。一点の光を追って、様々な様相をした宇宙船が、受付け星に着陸。其処で手続きを済ませて居ります。
今宇宙日、この宇宙店主がやろうと思っているのが、この『ジム カシオペア』で一番人気のメニューである“惑星混合ストレッチ”です。
これは宇宙店主よりもも重さが在る惑星を、宇宙店主の八本足の上に、重りの代わりに置きまして、一〇〇本ある宇宙店主の腕を駆使して、手頃な重さの惑星を持ち抱えながら、腹筋をする、“カシオペアマッスル腹筋”。
惑星の上に乗ってバランスを保ち、其の惑星から滑り落ちない様にする、“惑星でバランス惑星ハッスル”。
そして最後が、惑星から惑星へと宇宙店主の五〇本の腕を使って鷲掴み、自分が納得する迄、宇宙空間を惑星から惑星へと進み続ける、“宇宙空間ブラブラ”です。
この宇宙店主、『ジム カシオペア』に行く時は、宇宙船には乗りません。この時ばかりは“瞬間移動”を使います。
実は昔、宇宙店主、この“宇宙空間ブラブラ”にツイツイ没頭してしまい、気が付いたら、全く土地勘の無い宇宙空間までブラブラブラリンコ!してしまい、危うく迷子になるところでした。
(さて、どうしましょうか?..)
宇宙店主が思案して居た、丁度其の時、『銀河タクシー』の一宇宙船が、宇宙店主の前を通り過ぎ、其れに乗って何とかジムまで帰って来る事が出来ました。
皆さんの中にモシカシテ、
(何故、宇宙店主は“瞬間移動”を使って、ジムまで帰らないのか?)
思われる地球人も居られると思います。
“瞬間移動”と云うものは、自身で行き先を把握してないと、其のママこの宇宙空間の時空と時空の間に挟まれて、永遠にコチラの世界には戻って来る事が出来なくなる、と云う注意点も在るのです。
「驚きました?」
宇宙世界にも独自の法則が存在して居るのですね。
「オット、そう言えば。」
皆さん、先週の地球金曜日版の地球新聞は読まれましたか?
何やら、地球全ての国で記録的な大地震が起こり、殆どの地球人がお亡くなりになったみたいで..。
この手のニュースは、この宇宙店主も非常に心を痛めます。
そしてコノ大地震を起こしたのは、実はコノ宇宙店主、張本宇宙人なんですね。
ジムから、其の宇宙日は、太陽系方面に
“宇宙空間ブラブラ”で進んで行ってしまって。火星を全ての腕を使って掴み、ブラブラブラリンコしたところま迄は、この宇宙店主ハッキリと覚えて居るのですが..。
其の次に、恐らく皆さんの地球を掴み、この宇宙店主、ブラブラしてしまった様ですね。
悪意が在った訳ではありませんからね。地球の天変地異は全てが宇宙人のワークアウトの仕業デスね。
この『ジム カシオペア』の場をお借りして、若干数だけ残った地球人と、お亡くなりになった地球人に、追悼の意をココに表したいと思います。
「この度は御悔やみ申し上げます。」
では。
宇宙店主
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