第16話

一生をかけて1人を愛そうと奔走する私を、

誰かは可哀想だと言った。

もったいないとも言った。

頭がおかしいとも言った。

現実を見ろと諭すものもいた。

それは全て不完全な評価だ。


なぜなら、私の恋愛物語はまだ完成していないからだ。


死が近づいてきたとき、一生分の長さを

ざっと1本分の映画位の長さにして、

小説にしたい。


登場人物は様々でもメインのキャストは

私と恋人2人だ。

きっと素敵なお話になってくれる。

私の死に至る愛を誰かに読ませた時、

はじめて正しい評価が決まる。

少なくとも私はそう信じている。

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