田舎町の小中学校に来た!
小阪ノリタカ
第1話 4月春とクマよけ鈴
4月の春。人事異動でこの小中一貫校に赴任することになった。
校長先生からは「生徒の数は少ないから、たぶんラクだよ。トラブルとかもたぶん無い。」と言われている。
まあ、小さな田舎町で人口も少ない地域だから心配するな!ってことだろう。
「皆さん、初めまして!今年度から担任を務めます、吉田です。よろしくお願いします」
この年は新入生がいなかったので、入学式はなく、普通に一学期スタート。
ある意味、自身の軽い「自己紹介」と一学期の「始業式」を兼ねている。
むしろ、生徒たちの方が顔なじみで「家族」のような雰囲気。あまり学年の違いというモノを感じさせない。
「吉田先生、はじよろ~!この辺、クマとかシカとか突進して来るから気を付けてね~!心配だったら自作のクマよけ鈴あげるよ~!」
彼は最高学年(中3)の生徒。一番この学校を知っている人物。工作が趣味なのか、ありとあらゆるモノを空き時間に作っている。
学校まで来る途中、「動物飛び出し注意!」という道路標識がたくさんあったのを思い出す。大袈裟と思っていたが、中3の彼の言っていることが本当なら、これはガチで来るパターンなのかもしれない。
襲われると怖い!…ということで、自作のクマよけ鈴を中3の彼からもらった。
「まあ、鈴はあくまでも「護身用」なので本当に危ないと思った時は逃げてくださいね?」
もらったクマよけ鈴には丁寧に中3の彼が書いたと思われる手書きの取り扱い説明書まで付属していた。
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