妖精の缶詰。☆ 一千一夜物語 ☆
猫野 尻尾
第1話:ボブゴブリンさんのギモーヴさん。
僕は某、大学に通ってる植物男子:年の頃なら20歳。
大学で植物を研究なんかしている。
もちろん独身で彼女なし・・・女性からあまりモテたって経験もない。
彼女は欲しいって思うけど、こればかりは相手がいないとはじまらない。
要するに一人暮らしだから、家にひとりいるときは寂しい。
話し相手になってくれるパートナーが欲しいって思ってる。
でも今のところその兆しはない。
両親は僕が幼少の頃他界していておじさん「母親の弟」に引き取られ変わった
洋館で育った。
おじさん亡くなってから今も洋館にひとり住んでいて孤独と仲良くやっている。
犬や猫を飼おうかって思うけど、可愛いけど話し相手にはなってもらえない。
だから可もなく不可もなくごくごく平凡な毎日を過ごしている。
たぶん、そのままだったら僕の将来もつまらない人生になっていたのかも。
そんなある日のこと・・・。
僕は大学の帰りバス停まで行く帰り歩道の向こうからキックボードに乗った
人が走ってきて、いきなり僕にぶつかって来てその勢いで僕は車道側に飛ばれた・・・と思った。
で、気が付いたら青空が見えた。
なぜか草むらの上にいる感覚・・・どうやら仰向けに寝転がってたみたいだ。
起き上がって周りを見てすぐに人間が住んでる世界とは違うって思った。
どこかの山の上?もしくは丘?
なにがあって、どうなってこんなところにいるんだろう?
ああ、そうか・・・僕はキックボードにぶつけられて飛ばされたんだ。
見える風景の中にドームっぽいものが何個か並んでいて、ドームには
扉らしきものが付いていた。
右も左も分からない僕は状況が知りたくて一軒のドームを訪ねてみた。
恐る恐るドアを叩いてからドア開いて中を覗いた。
「こんにちは?・・・誰かいらっしゃいますか〜?」
「ん?・・・誰かな?」
「あ、どうもお邪魔します」
そう言って目の前にいる人を見たらまじで?って思うくらい小ぶりな人。
って言うか・・どう見ても人間とはほど遠い生き物って感じ。
服は着てるけど痩せぎすで顔色が悪い。
灰色の髪の毛とあごひげを生やしていた。
耳がやたら大きくて目がギョロッとしている。
なんかフンタジーの書物とか昔の絵で見たころある気がした。
「あ、あの僕「
「あの・・・あなたは?」
「わしか?・・・わしはボブゴブリン・・・ 名前はギモーヴ」
「よろしくな・・・」
「見たところ、おニイさんは人間だね・・・人間の世界から来たんだろ?」
「え?なんで分かるんですか?」
「うん・・・おニイさんみたいな人間らしき生き物が、時々ここへやって来る
ことがあるからな」
「何人くらい来たか数えとらんから・・・分からんがな」
「え〜そうなんですか?」
「あの、つかぬ事をお聞ききしますが、ここは?なんて言うところなんですか?」
「ここか?・・・ここはラングドシャって地区のクレタって丘の上だ」
「せっかくワシの家を訪ねて来たんだからお茶でも飲んで行くかね?」
で、僕は怪しいおじさん、ボブゴブリンさんのギモーヴさんのご招待を受けた。
つづく。
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