瞑色
そこの人、少し話を聞いてほしい。こんな地獄じゃやることもないだろ。
付き合ってくれ、クソども。
共依存という言葉をご存知だろうか。
簡単に言えば特殊な愛の形だ。互いが互いを欲する。深く、深く欲する。
人によっては良いイメージがないかもしれない。
俺と彼女は共依存だ。
彼女は中学校からの中で、後輩だった。2年のときに初めてできた可愛い後輩。
いつも可愛い服を着て、毎日俺の家で勉強して、夕方には帰る。
そんな少しずれてる生活が好きだった。
3年になった。受験勉強に追われ、彼女にかまってあげられなかった。
受験が終わるとすぐに彼女は遊びに来るようになった。
卒業式が来た。
告白された。
”後輩としか見れないかな。”
そんなふざけたことをほざいていたと思う。
”友達としてこれからも仲良くしてほしい。”
普通だったらありえないのに。
”ごめん。”
断った。
高校生になった。彼女の家に誘われた。襲われた。
ちょうど親が帰らない日だったらしい。
写真も取られた。
何回もヤった。
告られた。
俺は断れなかった。
彼女の求めてくる姿に恋をした。
こうなる運命だった。
俺の人生は壊れていった。
毎日あった。高校に迎えに来た。
土日は毎回会った。お泊りした。そのたびにヤった。
避妊はしてた。バレなかった。
春。彼女が高校生になった。同じ高校に入った。
彼女の愛は重くなっていった。
避妊をしなくなった。
別れた。
2年の夏だったと思う。他の先輩に寝取られた。
多分少し安心していたのかもしれない。怖かったのかもしれない。
俺が普通に戻れるはずがなかった。
彼女を寝取った先輩は数カ月後、ボロボロの体で別れたらしい。
彼女も普通になれるはずがなかった。
復縁した。
周りに止められた。
周りが離れていった。
俺達は所構わずいちゃつくようになった。
大学受験の時期になった。
先生や親に勉強しろと怒られた。
しなかった。
Fラン大学に入学した。
一人暮らしになった。
彼女が毎日言えに来るようになった。
行為はエスカレートしていった。
子供ができた。
彼女は高3、受験期。
俺の選択は
殴った。
殴った殴った。
殴った殴った殴った。
殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った殴った。
彼女はぼろぼろになって、笑った。ドMだ。
流産になった。罪悪感よりも愛が勝った。
彼女もだった。
行為はエスカレートしていった。
彼女を何度流産させただろう。
彼女が大学生になった。
当たり前のように俺の家で暮らすことになった。
行為がエスカレートしていった。
束縛が厳しくなった。
過ごしづらくはなかった。
俺の目には彼女しか見えていなかった。
軟禁された。
嬉しかった。
でも不安だったから軟禁した。
共依存になった。
行為はエスカレートしていった。
俺も彼女もぼろぼろになった。
俺の常識が変わった。
人生が終わった。
彼女が死んだ。
享年22歳。
体が限界だったらしい。
俺も後を追った。
享年23歳。
彼女を食べて、残った顔を抱きかかえて、電車にダイブ。
美しかっただろう。
そして彼女のお腹にいた邪魔な肉。
享年0歳。
俺が殴って掻き出した。気持ち悪い...
だから。
だから俺は地獄にいる。
長ったらしく話をしたが。
この話で言いたいのは。
”愛してるぞ、雪愛。”
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