爆速じゃれ禍

いい

『先祖の箪笥』

うちにあるタンス、先祖代々から受け継いだ歴史があるらしいんですよね。

それはもう親も祖父母も大切にしてて、だからか知らないんですけど、小さい頃はあんまり汚い手でベタベタ触るなって怒られたもんです。



先祖代々のタンスって言うから古いものを想像したが、見せられた写真では最近作られたかのような、とてもきれいな見た目をしてる。

そして、そのタンスの一番下段を開けっ放しにすると、足が出てくる、というのだ。



でも開けないわけにはいかないので意を決して開け放しにする。

恐る恐る覗いてみるも足どころか手もなにもない。

ホッとした瞬間、後ろでガコン、と物音がした。

重い、引き出しを出して床に落としてしまったかのような。



振り向くと全ての箪笥の引き出しが落ちていて、無数の腕がイソギンチャクのように蠢いていた。

それを見て"これ全部ご先祖様なんだ、いずれ自分もここに入るんだ"

と何故かそう思った。


多分、近いうちに



どす子い/死バフ/いい/Hayato

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