2.青年

p7

毎日のように願い続けた。


そしたらある日の夜の事。

この日もいつものように、空に少しの期待とあきらめの中で願い続けていたんだ。


ドンッ。

突然、夜空から人が降ってきて、僕のベランダに落ちた。彼は痛そうな顔をする。


髪は黒くウルフカット。瞳の色は僕と同じ茶で、黒マスクで顔を隠し、黒い革ジャンを着た青年だった。


「…えっと、え?どう言う事?」


突然の事に、僕の頭は混乱。


「…いって。え、何処どこ此処ここ。もしかして、お前が俺を呼んだ、のか?」


「…え?呼んだ?まさか、僕の願い叶ったの⁈」


どうやら、手を合わせ願っていた日々は無駄じゃなかったらしい。


「僕は雨宮あめみや兎白とはく。君は?」


「俺は…分からない。名前、お前が付けてくれないか?」


そう言って彼は立ち上がった。高身長で羨ましい。


闇染やみぞめ黒也くろや!で、どうかな?あのね、僕の好きな本のキャラなんだけど、あの、僕友達欲しくて、ずっと願ってて。」


僕の言葉に、彼は嬉しそうに笑った。

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