第15話


和久さんは、いつもの場所で

煙草を吸っていた


「和久さん!」


「おぉ、みぞし!どうだ進展はあったか?」

あ〜、ワシも煙草が吸いたいのう


「えぇ…あったと言えば、あった。ような…。」


「おいおい、なんだそりゃ。頼りねぇな」

そうだ、そうだ!しっかりしろ!みぞし!!


「あ!そうだ、こないだ犯人を名乗って

自殺した男の身元って、わかりましたか?」


「あぁ。それなら“原田はらだ 誠治せいじ“だ。」


「実は…その原田は、害者の妻…かおりと

接点がありました!」


「ん?どんな接点だ?」


「かおりの両親を…交通事故で死亡させてます」


「なるほどな…。そういう事か……」


「?…なにが、“なるほど“なんですか?」


「…かおりは、その原田のせいで、

親を亡くし、児童養護施設に入れられた…。

恨んでいてもおかしくない。ってことさ」


「えっ…?!じゃあ、かおりが…

犯人って事も、ありうる訳ですね……。」


「そうだ…。」



…さすが、和久さんだ

ワシも…かおりが怪しいと思いはじめていた。


夫を、殺害し。恨んでいた原田を利用して

犯人にみせかけて自殺するよう強要した…。


しかし…だ。

警察の捜査や、取り調べを受けた

かおりが…未だ、逮捕に至ってないのは

夫殺害の“動機“や“証拠“が…

出揃っていないから…だと思われる。


ひょっとすると、共犯者でも…居るのか?


…いや、“真犯人“をかばっている?


あの、施設で何があったのか…?


そこに、答えがあるに違いない。




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