名探偵ねぎとろ②〜白百合の涙〜

白愛

第1話


「…こちら、現場からお伝えしております!

えー、…あっ!何か動きがあったようです!!

覆われていたブルーシートから御遺体でしょうか

担架で運び出されています!…こちらもシートで

隠れていて………」


「…最近、物騒な事件が多いな。」


「まったくです!…ナニを切り落として

口の中に詰め込むなんて、嗚呼…痛そう!」

溝島みぞしまは、自分の股間を押さえながら言った。


「腹部も数十ヵ所、刺されておる…

動かなくなるまで刺し続けたんだろうな。

こりゃ、怨恨…の線が濃いな。」


「怨恨…。何をしたら、こんな

むごたらしい殺し方に…なるんでしょう?」


「…よっぽどじゃな。…おい、みぞし

お茶をくれ、メシが喉に詰まりそうだ…」


「はーい。って、こんなニュース見ながら

よく、メシとか…食えますね、、」


「いいから早く、お茶!しっかり冷ませよ」


ハァ。熱いお茶を飲みたいのだが

いかんせん、ワシは“猫“だったりするのだ…。


「どーぞ」

浅い皿に注がれた…冷めたお茶を飲む。


「…それにしても、さっきの被害者

あんな所で…裸で何してたんでしょうね?」


遺体があったのは、ちょっとした山中で

トレッキングをしていた初老の夫婦が発見。



遺留品は、衣服など身に付ける物は

何も見付かっていない。

そこへ向かったであろう車だけが…発見された。


被害者は、仲里なかざと まなぶ

児童養護施設の職員だった。








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