第10話

「…………ん、」


「……」


「………さん…、」


「……」


「──っ、幸さん!!」






───!





突然隣で声がして、俺はハッと顔を横に向けた。



いつからそこに居たのか、俺の直属の部下である側近の男───相馬が困ったように眉を寄せながら、俺の手元をチラッと見ている。




相馬は声を重くして、俺に忠告した。






「……流石に吸い過ぎです。

今日はもうそれで止めてください」







───…?




そう言われ、俺は静かに自分の手元に視線を落とした。



するとそこにはまだ火を付けたばかりの煙草が綺麗な状態で指に挟まっていて、無意識に自分が喫煙していたことにそこでようやく気付く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る