1
第5話
*
物心ついた時にはすでに彼がいた。
母の代わりに私の世話をして、父の代わりに私を守ってくれる。
日下は私の
母を亡くした時も、彼は私の傍で涙を拭ってくれた。自分がずっと傍にいると誓ってくれた。
そうしているうちに───気付けば私は彼を愛するようになった。
親愛の延長か、それとも純粋な恋愛感情か、今となってはよく分からない。ただ、他の誰とも違う特別な感情だった。
私の初恋は日下だったと、はっきり言える。
彼を失うなんて思ってもみなかった。ずっと傍にいてくれると思っていたから。だから彼が死んだと知らせれたあの日……私の世界は真っ黒に染まった。
その真っ暗な世界へ優雅に足を踏み入れ、無惨に笑った男が───あの佐上光流だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます