私の世界は27cm
沈丁花の大木
第1話 たいない
夢から覚めるのは突然だった。
思考が回り始めて無意識に目を開ける。体に力が入って、足を折り曲げ、手がぴくりと動く。『うぅ』と小さく呻きながら、気怠く重い体を動かして起き上がると、
『あれ。ここは?』
知らない、身に覚えがない空間が私の前に広がっていた。
無機質でシンプルな白い部屋は埃一つも無い。ガラスの壁から見える外の景色は水だけ。光も無いのか濁った様にとても暗く見えて重苦しい雰囲気を纏い孤独感を煽らせる。
とりあえず誰か居ないか探してみよう。もしかしたら何か知ってるかもしれない。
そう思い、壁から目を逸らして部屋から出る為に辺りを見渡そうと振り向いた。
その時だった。
『うわぁあ?!?!』
「ちょっとうるさいって!!」
少女が一人で立っていたのだ。驚いてパニックになり、悲鳴をあげて後退りすると彼女が追うようにして自分の口元を押さえ付けられた。
急に体勢を崩されて対応できる筈もなく、そのまま自分がベッドフレームに背中を打ち付けて自分の足に彼女が跨る体勢になった。
彼女は脛を床にぶつけたのか、顔が痛みで歪んでいる。『大丈夫?!』と大きい声で言いそうになったのをまた防がれた。
何で頑なに喋るのを阻止するのか不明すぎて頭が?だらけだ。それを問おうと目を合わせると、
真剣で、今にも恐怖で押し潰れそうな目をしていた。
震えてるし、強がっているが涙目になっているのが分かる。
『(大丈夫なのか?)』
敵とかには見えなくて、彼女の思うままに何も抵抗せず黙り込んだ。
そうすると彼女も安心したのか手の力を緩めて、震えが止まった。
二人は黙ったまま心拍音だけが聞こえる。彼女はこの部屋まで走ってきたのか息切れもしている。
そんな事も考えて、もうそろそろが痺れてきたなと限界を感じ立ち上がろうとした瞬間。
「縺翫>縺ァ繧医?ゅ♀縺?〒繧医?」
「縺セ縺溘≠縺昴⊂縺?シ」
誰かの声。人間らしき声が聞こえてきた。
私の世界は27cm 沈丁花の大木 @Pippi_8989
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