悪魔の展覧会

ごあいさつ

本日は当美術館にお越しいただき誠にありがとうございます。

わたくしは学芸員の瑠志波（るしは）と申します。

本日は皆様に当館所蔵の貴重な絵画コレクションをご覧いただくためにお越しいただきました。

案内役を務めさせていただきますので、最後までどうぞよろしくお願いいたします。

さて、皆さまは「悪魔」をご覧になった事はございますでしょうか？

おや、ご覧になったことない。

では悪魔をモチーフにした絵画はいかがでしょう？

悪魔は古くから絵画のモチーフとして数多く描かれてきました。

最古の悪魔画は6世紀に描かれたといいます。

それからは有名なミケランジェロやロダン、セザンヌ、ドラクロワ、デューラーと言った巨匠が描き、現代に引き継がれています。

皆さまは悪魔と言うとどのようなものを想像されるでしょうか？

角が生えて？黒くて？蝙蝠のような羽もありますか？

ふふ、前のお客様がお召しになっているお洋服にもいらっしゃいますね。

悪魔は様々な姿形で描かれています。

旧約聖書であれば、アダムとイブを誘惑した蛇の姿で。

新約聖書であれば堕天使として。

牛の角や頭を持つものや爬虫類のような見た目のもの、近代になれば人間と変わらぬ見た目のものが悪魔として描かれることもあります。

いつの時代でも変わらないのは、悪魔は「死」「災い」の象徴であるということです。

今から皆様にご覧いただくのは、当館が所蔵する３枚の悪魔の絵です。

皆さま驚かれませんように。

ここに描かれている悪魔は、すべて実在した悪魔と言われているのです。