孤高のヒーロー、異世界に見参！！

しょうわな人

三矢（みや）　内広（うちひろし）　本名同じ

享年三十七歳

孤高のヒーローばかりを演じた特撮俳優兼スーツアクター

名前の内広（うちひろし）の由来は、三矢本人が語ったところによれば、将来に広い大きな家（うち）に住めるような漢（おとこ）になれと祖父が名付けたと言っていた

その祖父の願い通りに多くの特撮ヒーローを演じた三矢は三十歳の時に大きな広い家を建てて住んでいた

三矢が亡くなったのはダンプカーにはねられそうになった小学生児童を庇い、自身がダンプカーにはねられた所為であった

その行動に人々は三矢はまさしくヒーローだったと感動し、またその死をとても悼んだ

三矢がこれまで演じた特撮ヒーロー

仮面カイザーD（デイ）3　1973年〜1975年

主人公風見鶏吾郎(かざみどりごろう)役

スーパー戦士アオゲリラ　1975年〜1977年

主人公神命寺亮(しんめいじりょう)役

特攻隊長ロードワン　1977年

主人公万馬東吉(まんばとうきち)役

対決シュワット　1977年

主人公吉野川拳(よしのがわけん)役

デルトラマンイエティ　1980年〜1981年

主人公山土剛(やまとたけし)役

宇宙刑事（デカ）ハラン　1982〜1983年

主人公ハラン役

最後の特撮ヒーロー撮影時で三十六歳だった三矢は次回作も決まっていた

しかし、その撮影が始まり第五話まで撮影していた時に事故により亡くなってしまった

三矢の演じる特撮を見て育った大人たちや、特撮を今見ている子どもたちはひどく悲しみ、その死を悼んだ

やがて、一人のプロデューサーが三矢のお別れの会にて名言を放った

『三矢内広（みやうちひろし）は地球での役目を終えてまだヒーローの居ない星へと旅立った！！

ならば必ず地球以外の星で、ヒーローとして活躍している！我らがヒーロー、三矢　内広は永遠にヒーローなのだから！！』

この言葉を耳にした全ての三矢のファンたちは『そうだ、その通りだ！』と心から思ったその思いは一つの大きな力を生み、そして……

『あらあら〜、困ったわ。まさかこんなに大きな力を授かるなんて〜。これは異世界に転生させないと私では制御出来ずに力の暴走が始まっちゃうわね……　そうだ！！　転生ついでにこれまで演じた特撮ヒーローの能力を与えたら、この大きな力の九割を使えるわ！　残り一割はどうしようかしら？　そうねぇ……　ファンタジーらしく当たり前の能力も付与しておきましょうか。言語理解とかアイテムボックスとか。そうね、そうしましょう！　それじゃあ、三矢内広（みやうちひろし）さんの魂さん、異世界に行ってらっしゃ〜い！！！』

　異世界に真のヒーローが初めて見参する！！