第0.5話 広々としている

 「穂色」と游がいった。

「何? 秋葉」と翔太。

「游だよ。秋葉はもう寝てる」

「そうか」と翔太。「秋葉は寝るのが早いな」

 全員寝袋の中にいる。左から翔太、秋葉、游。声で袋が膨らむ。またしぼむ。

「なんか、気持ちいいよな、この時間……」

 確かに? と秋葉がいった。

「秋葉、起きてたの!?」游が驚いた。

「いや、なんか楽しそうな雰囲気だったから」声だけしか聞こえないが、隣の寝袋で秋葉が笑っているように思えた。

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