今日は枯れた向日葵の撤去をするんだから。


 そう思って生徒会室に行ったのに。

 衝撃的だった。


 そして、何だか自分が醜く感じる。

 梁瀬先輩のしょうもない感情に巻き込まれただけの私。


 先生と付き合いたいって……バカじゃないの。


 それで先生が付き合ってくれないからって、生徒会としての仕事を放棄する上に……他のメンバーまで巻き込むなんて。


 どうしようも無い人だ。





 『商高花壇』の前に行き、枯れた向日葵を根元から抜く。

 あんなに綺麗に咲いていた向日葵には、その時の面影はもう無い。


 長谷田先生は弱々しいって言ったかもしれないけれど。

 立派だったよ。

 私の話を聞いてくれた、向日葵たち。

 輝いてくれてありがとう。



 流れ作業でどんどん抜いて行く。

 無心で出来るこの作業は今の私にとって最高だ。



「……」



 梁瀬先輩。

 向日葵、見たかな。



「……」



 何だかそう思うと悔しくて、涙が零れてきた。



「はぁ……最悪」



 次、何を植えようかな。


 お花……好きなのに。

 なんかもう、どうでも良いかなって思えてきた。





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