無責任
生徒総会の前日。
生徒会室には、私しかいなかった。
「………何なの本当に」
生徒会、議長席のセッティング。
議長の進行文作成などなど。
やることは沢山あるのに。
どうしてこうなるのか。
私が思っていた生徒会活動とは程遠い。
生徒総会なんて、まだ序の口なのに。
これから訪れる文化祭……どうするんだろう。
「………」
パソコンの前に座って議題案をまとめていると、勢いよく扉が開いた。
「あれ、他の人らは?」
生徒会室に入ってきた長谷田先生は、呑気な声を上げながら周囲を見回す。
「……帰ったんじゃないですか。みんな無責任ですから」
先生の方を見ずにそう答えると、驚くような声を上げた。
「え? いや、みんな無責任っていうか。やる気があるお前が呼び掛けるんじゃない? 無責任なのはお前だろ。何してんの」
……は?
長谷田先生の言っている意味が分からなくて、脳がフリーズした。
何してんのって……。
「そ……それはこっちのセリフですわ!! 呼び掛けするのは会長、副会長、そして先生でしょう!? 先生こそ何してんの!? メンバーが9人もいるのに、そのうち8人は何もしていないのですよ!? こんなの、真面目にやってる私が馬鹿じゃない!! もう知らんわ!!!」
そんな言葉を投げて、生徒会室から飛び出す。
「あ、ちょ……渡里!!!! 明日の生徒総会どうするんだよ!!!」
はぁ!?
知らんわ!!!!
どうするかはお前が考えるんだよ!!!!
「知らん……! もう知らない!!」
何もかも知らない!!
明日の生徒総会……どうなっても知らないから!!!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます