戦艦大和、大航海時代で無双する〜豊臣秀吉と世界征服を目指せ!〜

雨宮 徹

第1話 戦艦大和、大航海時代へ

 20XX年。太平洋戦争に勝った日本は、ドイツ、イタリアと共に世界を治めていた。



 しかし、ドイツとイタリアの裏切りにより、日本は史上最大のピンチに追い込まれていた。



 そんな中、日本国内で「タイムスリップして、過去のヨーロッパを弱らせる」という作戦が立案される。問題はどうやって過去に行くかだった。



 そこで、白羽の矢が立ったのは退役した戦艦大和だった。そう、戦艦大和をタイムマシンにして、大航海時代のヨーロッパ諸国を叩くのだ。



「おーい、みなと、そっちの準備どうだ?」



なぎさ、いつでもオーケーだ」



 俺は手に持ったスパナでネジをしめつつ、返事をする。



 タイムスリップ先は戦国時代の日本。そして、最初に接触するのは、天下統一を成し遂げた豊臣秀吉。



 彼は世界征服をすべく、朝鮮出兵を試みている。つまり、日本一強へ歴史を変えたい湊たちと世界征服をしたい豊臣秀吉で目的は一緒なのだ。



 おそらく、秀吉が戦艦大和を見たら、腰を抜かすに違いない。江戸時代に黒船がやってきたようなものだ。いや、それ以上だ。



 まずは秀吉を説得出来るかが最初の問題だ。しかし、俺たちは成し遂げなければならない。日本のためにも。



「さあ、大航海時代で暴れてやろうぜ!」と凪が肩を回している。



 俺はタイムスリップをするためのボタンを押す。すると、周りの風景がグラグラとする。タイムマシン酔いは予想していたが、ここまで強いとは思っていなかった。



 そして、タイムスリップが終わると、俺たちを向かい入れたのは広大な海だった。



「さて、タイムスリップはうまくいったかのかな」



 俺は年代を示す計器を見る。大丈夫、大航海時代、つまり、日本でいう戦国時代だ。



 タイムスリップ先はざっくりとした場所しか指定できない。ここが日本近海なのは間違いないが、どこなのか、それを知らなくては話にならない。



 俺が地図で場所を特定しようとした時だった。視界に何かが入る。



「おい、凪、あそこ見ろよ! 帆船が見えるぞ!」



 国旗を見るに、どうやらポルトガルの船らしい。ひとまず、テストといきますか。



 俺は大和主砲の「45口径46cm3連装砲」を帆船に向ける。



「ちょっと、いきなりぶっ放すの? やめなって!」と紅一点のミオが止めに入るが、もう遅い。俺はすでにスイッチを押していた。



 ドゴォーンという爆音とともに、弾が飛んでいくと、帆船に当たる。いや、当たる前に風圧で押しつぶされていた。



「ヒュー、記念すべき一発目だ。派手にやったな!」



 凪が囃し立てる。



「これでいいんだよ。さあ、さっさと秀吉のところに行こうぜ。一緒に世界征服をするために」

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