委員会が一緒ということしか接点のなかった学年一のクール系美少女にじわじわと迫られて困ってます

はくすい

第1章

第1話 初めてのパワハラを受ける


始業式が終わった後すぐのホームルームで委員会決めが始まった。


「これから委員会決めを行う。最初に言っておくが1年の時に委員会に所属してなかった人は先生の独断と偏見で所属する委員会を決めさせてもらった。これはみんなに平等に内申点を持たせるためなので納得するように。」


男のゴリマッチョ教師がそう発言すると、クラスメイトがざわつき始める。


まあ無理もないだろう、実際俺だって嫌だ。

みんなが平等に生活委員という朝の挨拶をする為だけに早く登校しないといけない委員会に所属する可能性を背負っているわけなのだから。

我が校には伝統的であるとってもありがたい習慣が色々残されており朝のあいさつ運動もその一つである。


朝校門をくぐる時生活委員として立たされ挨拶をしている生徒を何度可哀想と思ったことか…

ただこの委員会には真面目な生徒ばかりが入っているので、真面目でも不真面目でもないいわゆる平凡な俺はまず候補からも除外されているに違いない。


などと思考に耽っていると、いつの間にか前の黒板にはチョークで名前が記載されていた。

こういう時、重要なことは大体最初に書くことが多いらしい。知らんけど。


どれどれ俺の名前は、


黒板全体を見渡し、まずは主要では無い役員の所から見ていく。


あれ?俺の名前がないな…


この時点で俺の委員会は主要なものである学級委員や生活委員、体育委員で確定した。


最悪だ…


学級委員は全校集会の時に毎回目立つし、生活委員は言わずもがな嫌だし、体育委員に関しては単純にしんどい、体育大会の時の負担が大きすぎるから嫌だ


結論、全部嫌だ



…うだうだ言ってても決まったものは決まったんだし仕方ないか、


と俺は諦め恐る恐る黒板に目をやると



やなぎ 悠人ゆうとという名前の上側にハッキリと丁寧な字で生活委員会と記載されていた



はぁ、よりにもよって朝早起きしないといけないのかよ…、



こうして俺の高校生活初めての委員会かつ生活委員デビューが決定した。



☆☆



それから程なくして放課後になり、今日この学期初めての委員会が行われる。


俺はカバンに配布された教科書などを詰め、そそくさと教室を出ていこうとしていた。


「待って悠人!一緒に委員会行かない?」

と呼び止めてきたのは亜麻色のさらつや髪をボブにしている、万人受けするタイプのいかにも王道っていう容姿をした茜川あかねがわ あさひだった。

旭とは幼稚園からの付き合いがあり、親同士の仲も良い、いわゆる幼なじみと言うやつだ。



「学校であんまり話かけんなって1年の時からいつも言ってるだろ。俺の平凡な毎日の日常に傷がついちゃうだろーが!お前異様にモテるから小・中学校といろいろ大変だったんだよ!」


「毎日の日常って、意味重複してるじゃん笑」


確かに言われてみればそうだな、割とよく聞く言葉だけどよくよく考えてみると日本語として違和感あるよな…ってちがう!

今まさに俺の平穏が赤ゲージとなってピンチを訴えている最中なのだ


「っていうか、なんで旭が一緒に行こって言ってくるんだよ?」


「だって私も生活委員になったんだもん。悠人自分が生活委員だって分かったら即効ショックでうつ伏せて寝てたもんね笑」


たしかに…。


俺たち、1年の時委員やってない人の名前が書かれた後で行われた、残りの委員会決めでどうやら旭は生活委員に立候補していたらしい。

うちの学校では原則委員会は男女二人一組で行われる。

そこが盲点だった。


「ほら、こんなくだらないこと話してないでさっさと委員会に行くよ!」


半ば強引に旭に手を引かれ俺たちは委員会の会議へと向かった


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